• 東京湾岸エリアの未来を皆で創ろう

「未来の東京」戦略および「東京ベイeSGプロジェクト」(案)が発表されました!大変楽しみなプロジェクトばかりで、湾岸エリアが大注目です!

東京都は、2021年2月12日に、新たな都政の羅針盤となる長期戦略の検討を進めてきており、「『未来の東京』戦略」(案)を取りまとめ、パブリックコメントを募集しました。また、同日に、「感染症の脅威」と「気候危機」の2つの危機を乗り越えた先にある未来の東京の都市の姿を構想し、その実現に向けて具体的な「社会の構造改革」を速やかに実装するため、「東京ベイeSGプロジェクト」を立ち上げました。

これらのうち、湾岸エリアに関係がある箇所について、ご紹介いたします。

特に、「東京ベイeSGプロジェクト」は、湾岸エリアが中心であり、湾岸エリアの潜在能力や魅力の高さを示すものになります。

■『未来の東京』戦略

この『未来の東京』戦略の目的としては、「我々が直面している社会課題に正面から向き合い、目指すべき「ビジョン」とその実現に向けた「戦略」を明らかにし、明るい未来の東京を切り拓いていくこととしています。

この『未来の東京』戦略は、2040年代を目指すべき姿を想定し、そこから逆算して現在からそこに至る道筋を定めるバックキャストの手法で、030年に向けた「戦略」を定めています。

「戦略」というと、企業では「やることと、やらないことを決める」がありますが、行政らしくフルラインナップで、特に絞っているものでは無さそうです。この『未来の東京』戦略だけでも、全370頁あり、さらに付随する「3か年のアクションプラン」も全427頁と大量にありますので、湾岸エリアに関係する箇所を中心にご紹介いたします。

未来の東京の実現に向けた「ビジョン」と「戦略」として、2040年代の目指すべき姿をビジョンとして定め、2030年に実現する戦略を定めている、長期戦略となります。

出典:東京都

また、我々が目指す2040年代のビジョンは、20あります。

出典:東京都

2030年に向けた戦略は、20+1(コロナ対策)あります。

出典:東京都

主要プロジェクトは、15ありますので、かなり大掛かりな計画となります。

出典:東京都

この中から、湾岸エリアに関係があるところをご紹介いたします。

■2040年代のビジョン

ビジョン10 まちづくり

で、主な拠点の将来像について、記述があります。

【臨海部】

区部中心部との近接性、国内外の玄関口、東京2020大会のレガシーの集積等の強みを生かし、世界から人と投資を呼び込み、東京と日本の持続的成長を牽引する未来創造域が形成

【築地】

大規模集客施設や国際会議場などの機能を備え、文化や芸術、食・スポーツ・ウェルネスなどの機能が融合し、新たな東京の魅力を創造・発信する国際的な交流拠点が形成

とされています。

臨海部の「東京と日本の持続的成長を牽引する未来創造域が形成」は、「東京ベイeSGプロジェクト」を指していると思われます。

築地については、「食」という言葉はあるものの、MICEを中心にし、「食のテーマパーク」ではなく、現実的な計画の様です。個人的には、東京ドームの様なスポーツの競技場ではなく、オフィスやイベント会場、商業施設などが融合した施設が良いと考えていたので、この方向性は好ましく思いました。

出典:東京都

■2030年に向けた戦略

戦略9 都市の機能をさらに高める戦略

具体的な3か年のアクションプランでは、築地は、2021年に「実施方針の公表」、2022年に事業者募集」を行うようですので、オリンピック後には、方向性が見えてくるようです。

出典:東京都

公共交通ネットワークの計画についても記載があります。東京8号線の延伸(豊洲~住吉)、都心部・臨海地域地下鉄構想ともに記載がありますが、大きな進展はなさそうです。

出典:東京都

豊洲市場も含まれる中央卸売市場についても、市場の機能の更なる活性化を目指し、5G環境の導入も予定されている様です。

出典:東京都

戦略10 スマート東京・TOKYO Data Highway戦略

重要地域として、都心部(大手町・丸の内・有楽町、竹芝と並んで豊洲)、ベイエリアを重点地域に上げています。竹芝がソフトバンクとすると、豊洲はNTTデータなんでしょうか。

また、ベイエリアは、

・先端技術開発を担うスタートアップやeスポーツ関連企業等の進出を支援

・自動運転技術を活用したビジネスモデルの構築を支援

・最先端技術を活用したイベント支援など、まち全体をショーケース化

とあり、楽しみな取り組みです。

出典:東京都

戦略13 水と緑

湾岸エリアは、水辺に囲まれたエリアであり、舟運の活用も期待されるエリアです。

出典:東京都

戦略16 スポーツ

東京2020大会に向けて東京都が新たに整備した競技施設をはじめ、スポーツ施設の新たな魅力を最大限発揮し、スポーツを中心に様々な目的で都民が集うことができる拠点として形成する計画です。

■東京ベイeSGプロジェクト

突如出てきたプランの感じがしますが、流行りのESGと先端的なDXで、投資を呼び込む戦略の様です。湾岸エリアは、都有地も多く、他のエリアと比較すると空地もあるので、新しい街づくりに適しているということでしょうか。

STEP1として、

・グリーンファイナンスを活用したプロジェクトの展開

・ZEVを活用したマルチモーダルな交通体系

・空間的広がりを活かしたデジタル都市

・世界中の人々を魅了する「遊び場」

を掲げています。特にFCVは、水素ステーションが多い湾岸エリアなので、バス以外の発展を期待したいところです。

全文は、こちらから下記出来ます。

■『未来の東京』戦略

https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/choki-plan/

■東京ベイeSGプロジェクト

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/02/12/03.html

いずれにしても、楽しみなプロジェクトばかりです。他の地域に比べて、湾岸エリアは先端的な取組が多く、将来に向けて、名前が挙がることが多い地域の様な気がします。官民挙げて、湾岸エリアの将来が明るくなると良いですね。